乾燥おからラプソディ~おから味噌試作レシピ4~

2018年9月29日、庄原でおから味噌の試作をしました。試作レシピ4つのうち、生のおからを使った3つの作業を終えたのですが、持越しになっていた4つ目のレシピは自宅で行いましたよ!→詳しくはコチラ!

4つ目のレシピには乾燥おからを使いたいと思ったのですが、佐々木豆腐店さんでは乾燥おからを取り扱っていないとのことだったので、自宅で乾燥おからを作ってみることにしたのです。


乾燥おからを使った味噌はスゴイらしい!

乾燥おからを使おうと思ったのは、ある論文に出会ったから。その論文とは「おからの利用に関する研究 : その 2. 味噌製造におけるおからの乾燥効果」(竹村真由美先生著 福岡女子短大1983-12-30)

乾燥おからを使ったおから味噌は生のおからを使ったものよりも、アミノ酸やグルタミンの値が高い、熟成期間が短いなどいいことづくめの結果でした。


余談ですが、論文っていいんですよー!研究者は世の中のほとんどの「?」にいち早く目をつけ、実験もやりつくし、きちんとその結果が論文の形で公表しています。しかも、家政系の論文はほとんど日本語♡読めば何とか理解できる(理解できないところは読み飛ばせ!)なので、もし何か行き詰ったら、ググるワードに「論文」って追加してみることにしています。で、行き着いたのがこの論文なのでした。


知るとやるとじゃ大違いの「乾燥おから」

さて、先述の論文には乾燥おからの作り方と、乾燥おからを使った味噌を作る材料も書かれていました。

”乾燥おからの製法は,生おから(既報1)で用いたもの)を100℃で120分乾燥させ た物を,実験に供した(トラストオ ープン・KCV・ST東洋科学を使用)。種麹は市販 の味噌麹菌(AsPergillusoryzae )を用い,米は市販の精白米を使用した。”

とあります。


我が家のオーブンは家庭用ですが、100度からの温度設定が可能、100度で2時間なら楽勝!と思い、乾燥おからように分けていただいたおからを天板2段に分けて乾燥を始めました。


30分ごとに攪拌すると、おからから立ち上る大豆の香りと湯気でとっても幸せ♡洗濯機が回るのをひたすら眺めたり、大豆を煮るときのあく取りを黙々とするのが大好きな私にとって、30分ごとの攪拌なんて、楽しみ以外のなにものでもないのです。


ちょっとした油断でおからちゃんが小麦色に!

ふんふん鼻うたまじりに作業を行いますが予定の2時間たってもおからちゃん、しっとり…まあ、家庭用だしねーでひたすら30分ごとに攪拌、作業を続けているうちにおからちゃんの下に敷いたクッキングシートがパリッとし始める。もういいかな?って思って重量を量ると最初1㎏だったのが、250gに、いい調子だけど最終的には100gくらいになるのでは?と聞いていたので、再びオーブンへ!

すると、2~3分後なぜか部屋にただよう香ばしいニオイ…あわててオーブンをのぞくと、おからちゃんの表面が小麦色に!!!


……やっても―たわ。しようがないから、ちまちまとおこげちゃんをよけ、ブレンダーで粉砕して無事に乾燥おから完成。気が付けば、乾燥開始から7時間が経過していたのでした。

あ、焦げたおからはパン粉に混ぜてフライにし、おいしくいただきました(TVグルメ番組風)


おから味噌 4個目レシピ完成!

「生おから」→「乾燥おから」→「乾燥おからを戻す」→「おから味噌」の手順は、乾燥おからさえできてしまえばあっという間です。


乾燥させたおからを、佐々木豆腐さんからいただいたスペシャル豆乳で生おから(?)に戻してやり、塩きり麹と混ぜて仕込みましたよ!若干香ばしいのはご愛敬です。4種類そろったおから味噌、出来上がるまでの数か月はワクワクです。


カモシエスタ

醸シエスタとは忙しい日常の中でも、楽しいことをしてみよう!ちょっと不便を楽しんで、あなたの人生を醸してみませんか?という試み。地域や人を醸すことを目的に活動しています。広島県を主なフィールドとして、収穫体験だけでなく、取れたもので保存食やお味噌を作る活動を行っています。衣・食・住それぞれの日本文化の良いところを、無理せず現代生活に取り入れるためのヒントをあなたにお伝えします。

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